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株式会社牛かうVaca
- はじめまして!株式会社牛かうVacaの馬上温香(まがみはるか)です。
千葉県いすみ市で乳牛を200頭飼育し、循環型酪農に取り組む高秀牧場の敷地内で、牧場の新鮮でおいしいミルクを使用したチーズやジェラート、スイーツを作り、「高秀牧場ミルク工房」で販売とカフェ営業をしています。 -
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牛を育てることへのこだわり 地域×牧場の循環
- 高秀牧場では「循環型酪農」に取り組んでいます。牛の排泄物から堆肥を作り、その堆肥を畑に戻して牛のエサとなる牧草やとうもろこしを育てて餌として牛に食べさせています。
牛の餌は、高秀牧場の畑の他、たくさんの地域稲作農家さんのご協力の元、地元の田んぼでもたくさん育てられています。飼料用の稲や、飼料玄米を堆肥を使いながら栽培してくれている農家さんのおかげで、地域全体を使った資源の循環を実現させています。
稲刈りの時期、白いロールが田んぼにたくさん転がっているのが、いすみ鉄道の車窓からも見えるはずです。あれらはすべて、地域ではぐくまれた牛さんの餌です。
高秀牧場では、国産飼料100%を目指して酪農をしています。
地域で栽培された稲や玄米、牧草、トウモロコシを用いて粗飼料自給率は約95%を誇ります。 -
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高秀牧場の六次産業化
- 六次産業化=1次×2次×3次産業。生産、加工、販売のすべてを1次産業の生産者が行うこと。
高秀牧場では、2012年から、自社の生乳を使用したナチュラルチーズの製造に取り組んできました。チーズの国際コンクールで最高金賞を受賞したこともあります。牧場にチーズを求めてお客様が来てくださるようになりました。
2016年には更に「高秀牧場ミルク工房」がオープンし、牧場カフェとしての営業がスタートしました。高秀牧場の牛乳を使用したドリンクや、チーズを使った軽食メニューを提供しております。同時に、ジェラートの製造、販売も開始いたしました。
ジェラートは、高秀牧場のミルクはもちろん、地元の農産物、加工品を使用して様々な種類を作っています。牧場カフェの構想段階では、ソフトクリームの提供をしようと考えておりましたが、ジェラートなら、地元の農家さんや事業者とのコラボがしやすいのではないか。いすみ市や千葉県は食材の宝庫なので、様々な食材でジェラートを作って、牧場だけでなく地域の農業や産業を一緒に知ってもらえると考えました。
ジェラートをはじめてから、地元の子供たちがたくさん牧場に遊びにきてくれるようになりました。牛を見てもらって、牛のことをしってもらう取り組みもしています。地域で育った草を食べて牛がミルクを出し、そのミルクでジェラートを作り地域の子供たちが食べてくれるのは大変嬉しいことです。 -
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今回のリワードについて
- 今回、新たな商品として、房総素材のジェラートセットを作りました。
セット内容は
・古民家カフェ「抱」のカフェオレジェラート
・大多喜町産のローゼルとレアチーズのジェラート
・いすみの菜の花のジェラート
・木戸泉の酒粕ジェラート
・六いちご園のいちごソルベ
C-VALUEクラウドファンディング特別セットになります。 -
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大多喜町の古民家カフェ「抱」のカフェオレジェラート
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- 大多喜町の古民家カフェ「抱(ハグ)」さんは、築100年を超える古民家を改装して作った珈琲工房です。高秀牧場が、ミルク工房をオープンする少し前、牛乳をもって抱さんにお邪魔しました。この牛乳に合うコーヒーをブレンドしてほしい、とお願いしに行きました。現在、高秀牧場ミルク工房では、抱さんが作ってくれた高秀オリジナルブレンドのコーヒー豆を使用してコーヒーを提供しています。コーヒー味のジェラートを作る際、この高秀ブレンドのコーヒー豆を使用して製造したところ、ミルク感とコーヒー味のバランスがとても良いジェラートができました。当初、コーヒー味、としてのリリースを考えていましたが、ミルクの風味をコーヒーがかなり引き立ててくれていたので、急遽、カフェオレジェラートとして販売を開始しました。オープン当初から出しているカフェオレジェラート、強いファンがいて、通常3種類選べるトリプルのジェラート、全部カフェオレ!という方が複数名出るほど人気のフレーバーです。
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大多喜町産のローゼルとレアチーズのジェラート
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- ローゼルは、近年大多喜町で盛んに栽培されているハーブの一種です。赤くてかわいらしく、味わいは酸味のある爽やかさがあります。2023年から大多喜町が特産品にしようと栽培を開始し、地域の福祉作業所とも協力して栽培量を伸ばしてきています。ローゼルをジャムにして、高秀牧場のレアチーズジェラートに混ぜ込みました。レアチーズジェラートには、高秀牧場で製造しているフレッシュチーズの「フロマージュ・ブラン」をたっぷりと使用しています。濃厚なチーズのジェラートに、ローゼルの酸味がマッチしています。地元×地元素材の唯一無二のジェラートになりました。真っ白なレアチーズジェラートに、真っ赤なローゼルジャムがよく映え、見た目にもかわいらしいジェラートです。
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いすみの菜の花のジェラート
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- 菜の花は、千葉県の県花で、黄色い花と甘い香りがする春の房総の代名詞のような花ですが、実は食用菜花の出荷が盛んです。花が咲く前の蕾を摘み取って、おひたしなどにして食べる春のお野菜です。高秀牧場では、長らく食用菜花の生産に取り組んでおり、いすみ市最大の栽培面積を地元の福祉施設様のご協力により出荷しています。収穫後には一面の菜の花畑が広がり、いすみ鉄道・小湊鉄道沿線の菜の花と合わせて房総地域有数のお花畑スポットとなっています。高秀牧場の敷地で収穫した菜の花のジェラートを作りました。色は鮮やかな緑色で驚くかもしれません。バナナを一緒に使っているので、味わいはバナナが強く、後味にほのかに菜の花のお野菜感を感じます。ユニークなフレーバーですが、栄養もしっかりとれて美味しいジェラートになりました。
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木戸泉の酒粕ジェラート
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- いすみ市には、146年の歴史を持つ木戸泉酒造という酒蔵があります。自然醸造による「旨き良き酒」造りをモットーに丁寧なお酒造りをしています。お酒を仕込む際に出る酒粕は、一部高秀牧場の牛さんの餌になっています。木戸泉の看板商品の一つにAFS(アフス)というお酒があるます。独自開発の高温山廃一段仕込みによる新感覚日本酒で、ワインのような芳醇な香りを持ち、普段日本酒を飲まない人でもファンになってしまうお酒です。私も、常にAFSは冷蔵庫にあるくらい大好きなお酒です。このAFSの酒粕を、ジェラートにしました。ミルクと合わせることで、コクのある甘酒のようなジェラートに仕上がりました。滑らかさと、鼻に抜ける豊かな酒粕の香りが感じられます。木戸泉の酒粕を食べた牛が出した牛乳を、また酒粕と合わせてジェラートにするという、面白い循環も生まれています。
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六いちご園のいちごソルベ
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- 千葉県全体で見てもいちごの生産は盛んですが、私は六いちご園さんのいちごより美味しいいちごに出会ったことがありません。とても甘くて、練乳をつけずに苺だけの甘さで感動するくらいです。この苺のおいしさがダイレクトにわかるように、ミルクを使用しないソルベにしました。
鮮やかな苺の色合いと、すっきりとした苺の甘さを感じられるいちごソルベです。 - 全体のセットでこだわったのが、主原料がすべて房総のものであることと、セットにしたときの色合いの鮮やかさです。食材が豊富な房総地域では、今回のセットでおさまりきらないほど。魅力的な素材があります。今回も、果物、ハーブ、チーズ、野菜、加工品と、多ジャンルの食材を使ったジェラートセットになり、地域の食の豊かさを感じていただけるのではないでしょうか。
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たすきプロジェクトに参加して
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- 私は、高校生活の3年間、いすみ鉄道に乗車して通学をしていました。広がる田園風景の中、桜のトンネルをくぐり、沿線に菜の花が咲き乱れる景色の中を走る黄色い電車に、私の青春時代が詰まっています。当時は気づかなかった、「田舎」のよさに、忙しい毎日を送る今になってようやく気が付きました。ゆっくりと流れる時間の豊かさ、カレンダーを見なくても空気と香りと農作業風景で季節がわかるところ、知らない人でも挨拶が飛び交う人の交流の濃さ、「なんかいいな」と思うことが多くなる毎日です。都会の喧騒にあこがれた時期もありました。田舎の不便さを嘆いたこともあります。実際、私は高校卒業してからは地元を離れ、海外の都市部に住んでいました。離れてみて、地元の良さをひしひしと感じました。幸い、房総地域は電車で2時間以内に東京の中心部へ遊びに行けます。都会のにぎやかさや利便性は時々遊びに行く東京で私には十分でした。
たすきプロジェクトを通して、もっといろいろな方に房総地域の魅力を知っていただき、四季折々で味わえる様々な食材や、どこか懐かしい風景を見に遊びに来てほしいと思っています。
私が1番好きな季節は、田植え前に田んぼに水が張る時期。晴れて風がない日には、青空が水面に反射して大きな鏡のようになります。どんなに落ち込んでいる日でも、不思議と「生きているなぁ」と感じて元気がでてくるような景色です。
稲が伸びてくると、稲が風になびき、風が走っているのが目に見えるような景色が広がります。
季節によって移り替わる景色はもちろん、野菜、果物、水産物、乳製品など食べ物が本当に美味しいです。特に推したいのは「いすみ米」。炊き立ての新米で作るおむすびは、とまらなくなります。
私の愛すべき故郷の空気と食を、ぜひ体感しに来てください。
そんな素敵な環境で、40年間地域と共に酪農をしてきました。
高秀牧場のかわいい牛たちにもぜひ会いにきてくださいね。